2019-07-14から1日間の記事一覧

惑星フルーツ

私 メロンパフェはきらいなの (2018年)

乙女のポリシー捨ててない

(2015年)

入試より鉄棒

高校のグランドに 鉄棒がひとつもないことを確認し 心からほっとした 鉄棒ができなくて困る日が やってくるかもしれないと 小学生の頃から恐れていた

蒸しパン

蒸しパンの 匂い漂う 午後三時 ずる休みせず 正解だった

うさぎのまくら

うさぎのまくらで ねむっているから ゆめみがちなの なおらないのかも (2015年)

白い背景

失恋の 翌日などは 新品の 塗り絵のように すべてが白い

手袋の白うさぎ

寒い日に 白いうさぎの 手袋が わたしの指を 噛む真似をした

暗闇で光るシャボン玉

1月16日 部屋の窓から花火をみていたら わたしの手元から花火に負けない いきおいで シャボン玉が つぎからつぎへと飛びだした 暗闇で光るシャボン玉だった

校則違反

心持ち 短く切った 紺色の セーラー服の スカートの丈

雨の日の通学路

一列に 並んで歩く 水たまり つぶれたカエル 踏まないように

十七歳、冬

バスのりば 吐く息よりも 白い頬 スクールバスは なかなかこない

放送委員

ポケットに 放送室の 鍵を入れ 廊下を走る そうじの時間

現代乙女

唇にタールを塗っていることに 気がつかぬまま 微笑む女人

ジャムを煮た

冷蔵庫 いちごの匂い しなくなり つめたいジャムは しずかにねむる

ウインクなんかしなくても

ねこがしんでて かなしくなった UFOみたいな夕日をみたよ 私はホットケーキがたべたい 怒鳴りながらたべた ソフトクリーム 親友からもらった あさがおの種 数年ぶりに 帰ってきたツバメ 朝 くるくるに される かみのけ (2015年5月)

恋は打ち切り

つまらない ドラマのように 容赦なく ある日突然 恋は打ち切り

悪い男に追われていた日

病院に行くと嘘をつき コンビニでホットケーキを買い 麻布十番の公園のベンチでたべた (2015年)

かまとと

いい子じゃないけど 想像ほど悪い子じゃない (2015年)

なにもつかめていないの

一人暮らしを始めたあの日 ドライヤーに貼った シールのうさぎ 手にソフトクリームを持ったまま 今も まだ こちらを見ているわ (2015年)

さよならはすこしめんどう

朝 曲がり角を曲がった先に 白いもこもこの犬を連れた 老人がいた めんどうな さよならよりも 白いもこもこの犬を見た 朝の出来事が 記憶の中に残るのだろうと なんとなく わかってはいた (2018年3月)

ぼやける四月

待ち合わせ おそばをたべて さようなら 病的なほど ぼやけた四月

あの娘は集金、わたしは正月

私を 乗せたそりは カレンダーの数字のうえを いきおいよく滑る あの者は 人を雇いすぎている (2019年1月)

りぼん結び

妖怪を 捕まえたなら 毒蛇で つよく縛って りぼん結びに

御涙頂戴

(または偽貧乏) 人聞きの 良いことばかり 考えて 合わせることに とうに疲れた

色白告白

私は 十二歳の夏から 一度も海で泳いでいない (2018年)

おさかなバレッタ

小学生のときの 音楽の先生の髪留めは 青くて おさかなの かたちをしていた (2016年)

感傷的になりすぎる人々

さよならに 涙を流す ことはない 縁があれば 嫌でも会える

沸点

幸せで あればあるほど 沸点は 下がり続けて 笑えなくなる

取らぬ兎の皮算用

「兎」という字も 月の中も じっと見つめていたら 兎に見えてくる 三日月の夜は セーラームーンが 座れそうだと いつもおもう (2017年)

裏切りなんてものはない

裏切るな そう言われると おしまいで 煙のように 私は消える