寒天

ゼリーのようにかためる

飛行機とアザラシはすこし似ている

8月17日

母と飛行機に乗って東京に行こうとしていた

 

私は羽田空港にある

しろたんタウンに行きたいと考えていた

 

私を乗せたエスカレーターは上にあがる

 

 

これなら買ってあげてもいいわよと言った母は

エメラルドのようなバレッタを手に持っていた

 

 

老婆とアザラシ

6月23日

 

母が連れてきた

見知らぬ老婆のおしりに

アザラシのぬいぐるみが潰され

大泣きする夢を

三日くらい前に見た

 

アザラシのぬいぐるみは

黒い両目が飛び出ていた

 


その夢を見る何日か前に

最後に泣いたのは

いつだっただろうかと考えていた

 

(2018年)

私のインターネットを見ている地下アイドルの女はいろんな誰かの真似しかできない

私の手のなかにある

ちいさなキラキラの粒をこっそり

ポケットに入れて持ち帰る者がいる

 

 

自分のものにしたつもりに

なっているようだがそれはもうただの

きたない石ころでしかないことに

一生かかっても気がつくことはないだろう

 


偽物のブランドバッグとおなじように

すべての人間を欺くことはできない

香りのしない派手な造花に

いつまでも水やりをしているように見える

 


カメレオンのように色を変える

二十六歳の白髪の女が

画面の向こうで私を見ている

 

(2018年)